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映画の一齣が見えますか〜フィルムをつなぐひとたちの話〜

2014/04/24 Thu

朝日新聞に小さな訃報が載っていました
 映画編集技師の鈴木晄さん死去 「嵐を呼ぶ男」など

一般の人には馴染みのない、というよりもよく分からない
フィルム編集という仕事は、文字通り、映画を撮影したフィルムを
切ってはってつなぐ作業で、映画全体のリズムやテンポ、構成を担う
実はとてつもなく責任重大であり作品の要の作業なのです

ビデオが一般家庭にまで普及した昨今、
だれでもパソコンでも動画編集をしてアップ出来る時代です
ましてや映画監督なら、自分の思い通りにつなぎたいし、つなげる時代、
映画と言えども、フィルムで撮影することすらなくなって、
はっきり言って、編集者は不要になってしまいました

だけど、ビデオ撮影になったからといって
カメラマンがいらなくなるワケがないのと同じように
編集者は映画にとって、必要不可欠な存在ということは
心ある映画関係者ならだれしも知っていることです

私が20代から30代を過ごした京都の撮影所では
当時すでに撮影所文化がすたれていたとはいえ、
まだ黒澤明や溝口健二のスタッフだった人も健在で
編集室という別格の存在も生きていました

有名監督といえども、編集者には敬意を表し、
つなぎの要望も記録係(スクリプター)を通すくらいの
確固たる撮影所システムに則って作業が進みます

あるとき、ベテラン監督が編集室のドアから顔をのぞかせ
 あそこ、4コマ、足しといてよ
と編集者に頼みました
この監督さんはいつも、テンポにこだわって、
そういう細かいことを言いますが、編集者も慣れています

ハイハイ、と、応えたものの、実際にやったことは…
作業用のフィルムを6コマ程度一度切って、
同じところでまたつないだのです

次の監督ラッシュという作業用の試写でそれを見た監督さん、
フィルムのつなぎのガタつきで足されていると信じ込み
 ほらね、よくなったよ〜
と、ご満悦
もちろん編集マンは素知らぬ顔をしています…

これが、監督と編集者のかけひきです
私は時代劇という定番の作品群で、編集者達の個性を知りました

ある編集マンは、
 ふすまが閉まったところで、ぱっと画面が変わる
どんどん展開する流れです
だけど別の編集マンは違います、
 ふすまが閉まってから、一拍閉じた間があり、
そこで、断ち切られた思いが表現されます

1秒間に24コマ流れるフィルムの世界、
同じような場面での、たった数コマの違いが
編集者の個性です
そして、センスです

20年近く、そこで素晴らしい編集者達の仕事を見て
テレビで見て、だれの編集か分かるほどになりました
撮影者の個性と同じように、はっきりしているのです

さて、冒頭の鈴木晄さんとはご縁がありませんでしたが
去る2月24日に亡くなった谷口登司夫さんについて、
思うところがたくさんあって、この記事を書きました

大映から勝プロ、そして映像京都の編集マンとして
編集の一時代を築いた方です
代表作も、座頭市、子連れ狼、利休など、数えきれません
だけど、その訃報は記事にもならず、
駆けつけた葬儀は、身内でとのことがあったにしても
あまりにも寂しいものでした

私自身は、同じ京都でも対極にある撮影所だったので
たまたま後年、渡辺謙さんのテレビシリーズ「御家人斬九郎」で
もはや穏やかになられた谷口登司夫さんに関われただけでしたが
それでもその人を惹き付けるオーラ、観察眼、なにより編集力に
心底魅了されたものでした

つるまない人だったのだと思います
お上手を言うこともなく、権威なんて考えず、
ただ若い者をかわいがったから
たくさんの若いファンがいました

東京から葬儀に駆けつけたのは
今の日本映画の大半を編集している若い衆、
みんなチーム谷口として、大御所を慕い、
その一端に触れたことを誇りに思っている若手編集者です

フィルム編集そのものが絶滅の危機にあっても、
きっと彼らは、日本映画伝統の編集技術を
脈々と伝えてくれることでしょう

いやこれは決して、大袈裟なことじゃありません

私が映画評でいつも書くように
監督の自己満足だけの映画があまりに多い今日この頃、
しっかりとした編集者の客観的なセンスがモノを言う
いちばん求められる時代でもあると感じています

私自身はスクリプターを経て、さらにその編集者の裏方で、
ネガをつなぐ仕事を天職と思ってがんばりましたが
フィルムの消滅とともにネガ編集はなくなり、
撮影所を去りました

いい時代を生きられて、幸せでした
これからは、いい作品を観て幸せにさせてもらいます

頑張れ、現代の、そしてこれからの編集マン達
あなたのつなぐ一齣は、ちゃんと観えているからね



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私的芸術論 〜中村正義と、3億円のヴァイオリンに思う…

2013/01/18 Fri

映画館へ行って映画をみるのが大好きなのですが
一般で1800円というのは結構な金額…


映画に限らず、絵画でも音楽でも芸術といわれるもの全般、
それはある意味、ひとりよがりで自己中心的で構わない
作り手の思いだけが、その作品を生み出す訳だから…

でも、受け止める側にとってはまた違う思いがある
タダで観るにしろ高いお金を払って観るにしろ
そこに求めるものは、共感や感動、賞賛や疑問、落胆も含め、
言葉にならない何か…

そこで思うのです
作り手もプロフェッショナルであるとしたら
そこには当然責任もある
ただ個人で好きに作って自己満足に浸るというのではない以上
そこには確かになんらかの責任があるのです

先日観た、ドキュメンタリー映画
「父をめぐる旅 異才の日本画家・中村正義の生涯」
という作品を観て痛切に思いました

この映画についてではなく、
この主人公の中村正義という画家の生き方についてです

彼は幼い日に病弱で絵筆をとりました
透き通った素晴らしい風景画を描いていました
その後才能を開花させ、その筋の頂点と言える団体に属しました
しかし、彼の戦いはここから始まるのです

画家としての彼は、ただ絵を描けばいいのではなく
後進を育てなくてはいけないし
他者の絵を評価しなくてはいけない
そういう絵画界のために働かなくてはいけない

それは好きな絵を描く時間も労力も削り
命をも削る作業となってしまうけれど
既存の団体が真の芸術的志向を失っている事態に打ちのめされ
今の自分が出来ること、ではなく、
今の自分がすべきことにすべてを賭けた生き方でした

私はむき出しの情熱だけが芸術とは思いません
ユーモア溢れる芸術もあるし、軽妙なセンスもある
だけどウチに秘められている思いはみな同じ
理屈では説明出来なくても
そこに確かにある、こころの声

この作り手のこころの声が
ともすると空回りになり、頭でっかちになり
イヤミになったり、尊大になったり、早合点になったり
なかなか簡単にかみ合うものではないのが芸術で

例えば映画なら
演技者の力量、スタッフの技術、監督の信念、脚本の完成度、
その他の隅々までがかみ合ってこそ生まれる傑作
音楽や絵画だって、だれもが出来そうであったとしても、
いざ筆を執ってみても、楽器を鳴らしてみても、
基礎や鍛錬、技量による芸術性は明らかに違う

だからこそ、それぞれの分野でのエキスパートがいる
だからこそ、そこから生み出されるものからの感動がある

そのだからこそを求めて、
時間もお金もかけて、人は会場に足を運ぶのです

過日、facebookで、
ジョシュア・ベルというヴァイオリニストの
ある行動が紹介されていました

彼は朝の通勤ラッシュ時にワシントンD.C.の駅で
ひとり座って演奏したのです
もちろん、だれもが急ぐ時間帯、彼を有名人と気づく人もなく
その3億円というヴァイオリンの音色に耳を傾ける人もいません
僅か数人が足を止め、お金も入れたようですが
結局は聞き続けることもなく立ち去ります

そして記事には、彼のコンサートチケットは一万円することや
「人々の視覚・嗜好・優先順位を研究するための実験として
ワシントン・ポスト紙によって行われた」ということ、
「私たちは本当に「美しさ」を理解しているのだろうか?
それをちゃんと足を止めて味わっているのだろうか?」などと
つづられていました…

でもね、私はやっぱり、これはおかしいと思うのです
これが別の場所だったらどうでしょう
被災地のような苛酷な場所でも、ゆったりとした公園でも
これが有名人であってもなくても、みんな別の顔を見せるはず

それぞれのときに、それぞれの場合がある

あとで、ああ、あの時の人、有名人だったのか、
もったいないことしたなぁ、って思うのでしょうか
この実験は、人々のこころの余裕のなさに警鐘を鳴らす、
というよりも、人を試す場面を間違えている気がします

通勤、という避けられぬ日常があってこそ
その癒しを求める先に娯楽や芸術がある
そんな市井の人々を試すこと自体が思い上がりに感じられて
私はこれこそ、芸術家がすべきことではなかったと思います


私の極端な思いではありますが
今回、この中村正義という生き方と
こんなどっきりみたいな実験を見比べて
(見比べることも間違ってますが…)
ちょっと芸術論をぶってみたくなった次第です…



映画「父をめぐる旅」情報はこちら
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小学校受験・中高一貫校受験・大学受験を体験、娘の高校中退や更生も体験しています。家出もね…>_<…
サービスディにはいそいそと映画館通いをしています。
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一人株式会社も5年目に突入です♪
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